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東京地方裁判所 昭和45年(借チ)1071号 決定

〔主文〕1 申立人が別紙目録(二)記載の建物に増改築を施し(ただし、和室六畳、同室の押入、同室南側の広縁は従来のままとする)、これを別紙図面の間取の如き木造二階建居宅床面積一階69.42平方米(21坪)二階45.45平方米(13坪7合5勺)とすることを許可する。

2 申立人相手方の別紙目録(一)記載の土地に関する賃貸借契約の賃料を本裁判確定の月の翌月分から一ケ月五七〇〇円に改める。

3 申立人は、相手方に対し、金五三万八、〇〇〇円の支払をせよ。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から昭和二七年六月別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的で、期間を定めずに賃借し、同地上に同目録(二)記載の建物(以下本件建物という)を所有している。

2 申立人は、本件建物に主文第一項掲記の増改築を施したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立の要旨として掲げた前記1の事実のほか、本件借地契約に増改築制限に関する特約があるか否か不明であること、本件増改築は、土地の通常の利用上相当であると認められるので、本件申立は、これを許可するのが相当である。相手方は、申立人に本件土地を賃貸したのは、申立人がバラックを建てて一時居住し、二、三年後には他に移転するとのことであつたので、申立人の気の毒な立場に同情し、一時使用を条件に賃貸したのであると主張するが、相手方は、右の点につき積極的な立証をしないばかりでなく、本件の資料によれば、相手方は昭和三五年五月分までの賃料を受領していることが認められるので、相手方の一時使用の主張は、たやすく採用することはできない。

2 附随処分

申立人は、本件の増改築をなすことにより、本件土地を従前より有効に利用することができ、住の快適性が増大するので、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に財産上の給付を命ずるのが相当である。鑑定委員会は、本件土地の更地価格を3.3平方米当り二七万円、借地権価格をその七〇%と評価し、給付額は、借地権価格の約五%に当る五三万八、〇〇〇円をもつて相当とする。従来の裁判例からすると、右の額はいささか高いきらいはあるが、申立人において右額に異存はないのであるから、給付額を同委員会の意見どおりとする。

なお、本件の資料によれば、現在の賃料は一ケ月一二五四円であるが、本件土地の有効利用にともない賃料を改定するのが相当で、鑑定委員会の意見のとおり、本裁判確定の月の翌月分から一ケ月五七〇〇円(3.3平方米当り一〇〇円)に改める。(小山俊彦)

目録

(一) 借地権の目的たる土地

東京都大田区久ヶ原四丁目六五一番

宅地 581.81平方米(176坪)

のうち 188.42平方米(57坪)

(二) 借地上の現存建物

家屋番号六五一番二

木造亜鉛メッキ鋼板瓦交葺平家建居宅

床面積 58.67平方米(17坪7合5勺)

現況 61.98平方米(18坪7合5勺)

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